D-RTK GNSS は、DJI A3 シリーズのフライトコントローラー用に設計された高精度なナビゲーション・測位システムです。動的差分相対測位技術を使用して、非常に正確なセンチメートルレベルの3次元測位を実現します。D-RTKは、従来の気圧計、コンパス、GPSシステムよりも精度が強化されているため、高い精度が必要とされる科学的な応用の場や、商業用途、工業用途に必要不可欠なものとなります。
正確な測位
動的差分相対測位技術を使って、垂直・水平方向に1センチメートル単位の正確な測位が可能になります。この非常に正確な測位により、商業および産業分野に必要不可欠な信頼性の高い貴重な視覚データが得られるため、再現性が高い飛行ルートを作成することが可能です。
正確な高度計算
無人航空機システム (UAS) で広く使用されている気圧計は、離陸時、制動時、または長時間飛行の後など気流の変動に直面した場合、高度の計算に不一致が生じることがあります。この不一致は、機体の飛行に影響し、好ましくないデータ変動を招くため、複雑な作業が必要になってしまいます。D-RTKの正確な高度計算により、ばらつきは1センチメートル単位にまで低減され、事実上変動がなくなり、プロが信頼できるデータを得ることができます。
精密な機首方位
2本のアンテナを使うことで、単体のコンパスセンサーを用いるよりもはるかに正確な機首方位の基準が得られます。コンパスに依存しないため、システムは金属の構造物や高圧電線により生じる磁気干渉にも耐性があり、他の機体では機能しない環境下でも正確に飛行できます。
総合的なソリューション
D-RTKは、DATALINK PROワイヤレス伝送リンクによってA3シリーズのフライトコントローラーと動作するように設計されており、さまざまな産業向けの総合的なソリューションを提供します。DJI GOおよびDJI Assistant 2に対応しているので、Ground Station Pro* にシームレスに接続可能で、正確かつ再現性の高い飛行ルートを実現します。測量、農業、空からの点検に最適です。
* A3とLB2を組み合わせて使用時。
D-RTKスペック
一般
ポジショニング精度 | 水平 : 1 cm + 1 ppm 垂直 : 2 cm + 1 ppm |
---|---|
方向精度 | (0.2/R)° R はベースラインの距離(エアシステムアンテナ 2 本間の距離。 単位:m)を表します。 |
二乗平均平方根(RMS) | 0.03 m/ 秒 |
使用周波数 | グローバルバージョン:GPS L1 および L2、GLONASS F1 および F2 アジア太平洋バージョン:GPS L1 および L2、BEIDOU B1 および B2 |
インターフェイスタイプ | CAN、UART、USB |
入力電圧 | 3 S ~ 12 S(12 ~ 52 V) |
消費電力 | 5.2 W |
電流 | 0.45 A(@ 12 V) |
D-RTK プロセッサ寸法 | 112.3 mm x 63 mm x 18.6 mm |
D-RTK プロセッサ重量 | 139.5 g |
作動温度 | 0°~ 45°C |
保管温度 | -40°~ 85°C |
D-RTKダウンロード
D-RTK FAQ
-
1.D-RTK とは?
D-RTK は、高精度なナビゲーション/測位システムです。GPS と BDS、 または GPS と GLONASS のデュアルバンドを利用した最新のソフトウェア・アルゴリズムを搭載し、4つの周波数に対応しています。D-RTK システムはさまざまな機体と互換性があり、センチメートルレベルで垂直、水平の両方向で測位精度を高めます。 -
2.D-RTK と A3 Pro を同時に使用できますか?
同時に使用できますが、Matrice 600 に取り付けた場合、2つのシステムの位置が重複します。同時に使用するためには、どちらか 1 つ、または両方のデバイスの取り付け位置を調整する必要があります。 -
3.A3 GPS モジュールは、D-RTK と併用する必要がありますか?
あります。条件がD-RTK に適していない場合、A3 は GPS モードへシフトして飛行の安全性を維持します。 -
4.D-RTK エアシステムをアンテナ 1 本で使用できますか?
できます。そのためには、アンテナをマスターアンテナの位置に取り付けてください。1 本のアンテナで使用する場合、D-RTK システムは測位情報のみを提供できます。機首方位の提供はできません。 -
5.D-RTK は、機体の測位と機首方位をどのようにして計算しますか?
エアシステムとグランウンドシステムの互いの位置が 10km 以内の場合、それぞれの絶対測位の精度は、グランウンドシステムの衛星を利用した測位に依存します。
エアシステムとグランウンドシステム間の相対的な測位精度は、センチメートルレベルを切ります。
D-RTK の Difference Tec 機能は、各システムの絶対測位と相対測位を三角測量し、最終絶対精度 2cm を実現します。
ナビゲーションでは、D-RTK は位置ベクトルをマスターアンテナからスレーブアンテナへ計算し、機首方位を正確に決定します。 -
6.D-RTK グラウンドシステムのプロセッサーをエアシステムで使用できますか?また、その逆も可能ですか?
できます。2つのプロセッサーは同一で、交換して使用することができます。 -
7.マスターアンテナとスレーブアンテナは交換できますか?
できます。必ずアンテナを DJI Assistant 2 に接続し、位置を交換してから、アンテナオフセットパラメーターを設定してください。 -
8.GPS システムと比較して、D-RTK は環境条件の影響を受けやすいですか?
受けやすいです。D-RTK は障害物および干渉のないオープンな環境で使用してください。 -
9.D-RTK GNSS アンテナを特定の方向に取り付ける必要がありますか?
ありません。 -
10.D-RTK プロセッサーを特定の方向に取り付ける必要がありますか?
ありません。 -
11.新しいD-RTK システムを取り付けた後、どうすればよいですか?
D-RTK プロセッサーを DJI Assistant 2 に接続し、最新のファームウェアをインストールしてください。そして、お使いのシステムにアンテナオフセットパラメーターを設定してください。 -
12.DJI Assistant 2 のアンテナオフセットパラメーターの設定方法を教えてください。
機体の中心とアンテナの中心の間の距離を測り、オフセットパラメーターとして入力してください。 -
13.D-RTK が強力な干渉を受け、システムの測位ができない場合、空撮プラットフォームはどうなりますか?
GPS モジュールが測位とナビゲーションを引き継ぎ、システムは同様に機能し続けますが、精度は落ちます。 -
14.十分に強力な衛星信号がなくても、ドローンは D-RTK なしで離陸できますか?
離陸できますが、この状況では、システムは GPS による測位のみにフォールバックします。信号の強度が飛行中に増加した場合、D-RTK が引き継ぎます。 -
15.D-RTK が飛行中に信号強度を失った場合、どうなりますか?
D-RTK が完全に機能するために必要な信号を受信できなくなった場合、システムは GPS による測位にフォールバックし、機種方位にはコンパスが使用されます。 -
16.D-RTK を購入する際、 DATALINK PRO を別途購入する必要はありますか?
ありませんが、グラウンドシステム用に三脚マウントのご購入が別途必要です。 -
17.D-RTK への電力の供給方法を教えてください。
インテリジェント機能あり/なしで、3S-12S (12V-52V) バッテリー単独でシステムに電力を供給します。 -
18.ATTI モードで飛行中、D-RTK は動作していますか?
動作しません。 -
19.マスターアンテナとスレーブアンテナが初期設定の位置に取り付けられていない場合、機体の測位や機種方位の精度は影響を受けますか?
受けませんが、位置の変更を反映させるため、アンテナオフセットパラメーターを再設定する必要があります。 -
20.DATALINK PRO の代わりに無線局を使用できますか?
動画伝送の機能性のみのために、サードパーティの無線局を使用できます。DJI グラウンドステーションソフトウェアを使用することはできません。 -
21.機体が空中にある間にグラウンドシステムが移動した場合、D-RTK の測位はどのような影響を受けますか?
D-RTK は、グラウンドシステムの位置変更が原因の事故を防ぐメカニズムを有しています。グラウンドシステムが近距離の範囲で移動した場合、機体は追尾します。元の場所から 50m 以上移動した場合、グラウンドシステムが位置を更新します。その間、機体はホバリングしながら新しい位置情報を待ちます。 -
22.D-RTK の最大伝送距離を教えてください。
D-RTK の最大伝送距離は 800m です。伝送距離はDATALINK PRO に依存します。 -
23.飛行中、 DATALINK PRO の信号がロストした場合はどうなりますか?
信号を一時的にロストした場合、D-RTK は計算モードになって位置を三角測量し、精密性を維持します。信号が 10秒以上ロストした場合、 D-RTK は計算モードを終了し、GPS による測位にフォールバックし、直前のフライトモードへ切り替わります。